2023年の年間でアクセス数・ダウンロード数が多かった人気の写真素材をまとめまし...
みなさんこんにちは、ライター・編集者のあまのじゃく(@amanojerk)です。
意識の低いダイエット写真素材でデビューして以来、インターネットのあちこちで使用される自分の素材を見かけては、新世紀エヴァンゲリオンで地球と融合をはたした綾波レイのことを思うのです。こんなときどんな顔をすればいいのかわからないの。
今回はPAKUTASOは駆け出しWebライター(僕)の唯一の良心であり反逆の一手であったというお話をさせていただきます。
地方で駆け出しのWebライターになったころ、僕はとにかく有名になりたいと思っていました。
1本2000円の原稿を月に何十本も納品しても、自分が憧れていたデイリーポータルZとかYahoo!ニュース個人とかそういう花形のインターネットには遠く及ばない。本当にやりたい仕事をするためにはまず舞台に上がらないといけないのに、その舞台に上がる方法がわからなかったんです。
どこかでわりと有名なかたが、大したことないライターほど自分のかいたものを得意げにディスコグラフィーにまとめたがる、みたいなことをおっしゃっていたんだけど、駆け出しほど自分のかいたものをまとめて、それを持ち込んでは少しずつお仕事をもらえるようになるものでしょ、って思う
-- あまのじゃく (@amanojerk) 2012, 7月 14
これは2012年頃のことでしょうか。今でこそWebライターの地位向上みたいな機運が高まりを見せているものの、当時は1本2000円の執筆料が問題視される以前のWebライターを取り巻く環境です。PV至上主義が全盛だった時代、釣りや煽りは当たり前だったし、ネットの記事は読者のリテラシーが低いことを前提に制作される傾向が確かにありました。
もちろん、振り返ってみるとメディア事業のマネタイズは効率よくおこなわれるべきだし、リテラシーうんぬんはあくまでもターゲティングの問題です。でも、当時の僕は周囲を見回して、内容も没個性的で、中身がないコラムが量産されているような印象を持っていました。
毎月何十本もそういう記事を世の中に出したとして、何になるんだろう。
単価が低い仕事は多数の発注がないとまとまった金額にならず、そのため仕事に余裕がなくなるだけでなく、クオリティをそこそこにして量産するほうが収入がよくなるという、業界全体としては悪循環に陥りがちです。結果として生まれたものが、後のバイラルメディア問題なのかもしれません。
そうやってライターという仕事に夢を見られなくなるライターをたくさん見てきて、僕もまたなんとかそういう状況の中でも少しでも個性的なものを、中身があるものをと頑張ることに疲弊してきた頃、出会ったのがPAKUTASOというフリー素材サイトでございました。
「見て楽しい、使って楽しい」がテーマのPAKUTASOでは、当時から「私の年収低すぎ?」や「今でしょ!」のパロディーなど、使い所がわからないものから、若干不謹慎なものまで、個性的なフリー素材を提供していました。ネットコラムといえば、どこにでもいそうなモデルさんが、わかりやすいポーズをとる画像をアイキャッチにするのが一般的だった時代にです。
以来、僕はPAKUTASOのフリー素材を使うようになりました。
編集部判断で差し替えられる場合も多かったのですが、そのまま通ったものもあり、普遍性が是とされるネットコラム的なるものに反逆の一手を打ったように思ったものです。僕の記事とアイキャッチの組み合わせで、わずかにでもクスッと笑うような読者がいてくれたら、というのがライターとしての僕の良心でした。
とにかく書いて書いて、それをポートフォリオにまとめて別のメディアに持ち込んで、というサイクルを繰り返すこと数年、僕はフリーライターとして生活費を賄えるようになりました。僕が周囲のライターさんと違って、ライターという仕事に夢を見続けることができたのは、PAKUTASOのおかげだと思っています。
この話には後日談がありまして、フリーライターからメディアの運営企業に就職してしばらくしたある日、僕が登壇させていただいたイベントではじめてPAKUTASO管理人のすしぱくさんと、広報兼フリー素材モデルの大川さんとお会いしました。そのときの経緯はすしぱくさんのブログ記事でまとめられています(そこで先のダイエット素材企画が決まった経緯もあり)。
そんなわけでめちゃくちゃうれしくてご挨拶させていただいたのですが、おふたりとも僕のことを知ってくださっているようで、所属企業で悪目立ちをすることも多いしそれでかなと思ったんですが、違いました。
毒にも薬にもならないネットコラムを書き散らかして、ジタバタともがいていた時代の僕を覚えているとのこと。
「記事のどこかしらで個性を出そうとしていましたよね、それが他のライターさんと違ったので、覚えています」と大川さん。大川さんはエゴ(画像)サーチの達人なので感度は高いはずですが、それでも自分がなんとか実現したかったことをPAKUTASOのみなさんが気付いていてくださったというのは、ライターになってよかったと心の底から思った瞬間でした。
ダイエット素材企画の撮影以来すっかり打ち解けて、もはや関係のない日常のあれこれを報告しあうチャットができました。
でも大部分が下ネタか誰かの悪口なんでお見せできるのはここまで。
あと、ダイエット素材企画の第二弾が近日公開です。
きれいな朽木さん爆誕!次回作のテーマは意識の高い肥満素材!?
それでは、また。