2023年の年間でアクセス数・ダウンロード数が多かった人気の写真素材をまとめまし...
ぱくたその運営管理人のすしぱくです。
今から約2年前(2020年)、コロナウイルスの感染拡大によって飲食店、観光地等が極めて厳しい状況に陥りました。自粛要請に伴い撮影ロケもできず、何か手立てはないかと考えついたのが「リモート撮影」のチャレンジです。
虎ノ門にあるBAR「IBUS」さんにご協力をいただき、屋内でリモート撮影を敢行しました。
BARをリモート撮影した写真素材(撮影協力:虎ノ門スモークIBUS)
どのような方法で撮影が行われたのか説明します。
室内(BAR)のWiFiにカメラやノートパソコンを接続して、リモート撮影の環境を作ります。店長に撮影機材を持ってもらい、カメラに映った画面を見ながらプロの写真家がオンライン上で指示をします。構図が決まったら設定値を調整して、オンライン上でシャッターを押していきます。
リモート撮影は「それが当たり前」だと思うかもしれませんが、当時メディアで紹介されていた「リモート撮影」のやり方は、リモート側が遠方からZOOM等のボイスチャットで指示を出すだけでした。現地にいる撮影者が機材を操作して撮影している状態です。
ぱくたそが考えているリモート撮影は下記のとおりです。
・ 機材があれば誰でも、どこでも、いつでもリモート撮影ができる
・ プロの写真家が直接カメラを操作するので、現地で撮影する方は機材を持って指示をうけるだけ
・ プロの撮影機材を使用するので高品質な写真が納品できる
・ 時季的な催し(場合によっては有事の際)や失敗が許されない撮影で重宝する
プロの写真家がリモート側で指示を飛ばし操作・設定することで、高品質の写真が撮れるようになります。現地にいる人が撮影に協力してくれることで、天候による長期滞在ができない状況や、遠方で撮影ができない時など、コストを削減することもできます。
前回は室内でリモート撮影を行いましたが、今回は直方市役所の皆さまにご協力いただき、屋外にある観光地をリモート撮影しています。まずはその様子をダイジェスト動画でご覧ください。
屋内と屋外では、ネット回線速度と光源(天候)によってリモート撮影の難易度が変わります。屋内では天候に左右されず、完備されているWiFiを利用することで快適に撮影ができます。屋外では太陽の位置や天候によって撮れる位置を変える必要があり、ネット回線にいたってはテザリングもしくは、WiMAXのようなモバイルルータが必要不可欠です。
屋外のリモート撮影は、屋内に比べて必要な機材が増えてしまいます。今回使用した機材の一部は下記の通りです。
・ Canon R5/R6フラッグシップケージ
・ SmallRig サイドハンドル 1/4ネジ付き
・ SmallRig モバイルバッテリー用ホルダー
・ SmallRig アルカクイックリリースクランプ&プレート-2144
・ GPD MicroPC 2021
・ Anker PowerCore III Elite 25600 87W
Canon R5の一眼レフにフラグシップケージを取り付け、上部にGPDの小型ノートパソコンをクランプします。(電池の消耗が激しいので大容量のモバイルバッテリーは必須です。)カメラの上部に小型のノートパソコンを載せるのに抵抗を感じるところですが、代替としてスマートフォンやタブレットなどで操作をするにもアプリが対応していないためできません。
カメラとノートパソコンを有線ケーブルで接続すれば、テザー撮影ができる状態となります。
有線ケーブルを使用せずカメラと無線(WiFi)で接続してテザー撮影を試みてしまうと、インターネット回線と接続できなくなるリスクと同時に、回線が混雑してラグによる影響を受ける可能性があります。テザリング(4G)でもリモート撮影は可能ですが、高速な回線速度が確保できる環境を用意しておくとよいでしょう。(WiMAXなどのモバイルルーターがあると大変便利です。)
カメラとノートパソコンは有線ケーブルで接続をして、ノートパソコンとWiMAXのインターネット回線を無線WiFiで接続します。
余談ですが、WiMAXのモバイルルーター(当方が使用したのは「HWD37」という型番です。中古品なら数千円で売っています。)のローカル上なら、すべて無線接続で使えます。屋外で望遠レンズ(超望遠)を使用したテザー撮影は、距離が遠くて有線ケーブルが使えない時やカメラ内のWiFiが届かない時に便利です。リモート撮影の話ではありませんが参考にしてください。
屋内には天井に照明(ライト)があります。自然光は窓がある所から入ってきます。明るさの上下はあるとしても、基本的に普遍なロケーションです。
屋外はどうでしょうか、時季や時間帯によって太陽の位置はダイレクトに変わります。反射や日陰による影響も受けますし、天候によって撮れる位置や雰囲気もまるで違ってきます。
屋内のリモート撮影では、カメラからの映像だけを見て指示できましたが、屋外ではカメラからの限られた映像だけでは、情報量が少なすぎて指示することが難しいのです。
以上のことから、屋外のリモート撮影では、周辺の状況が確認できるように広角レンズ(または360度カメラ)を準備しています。
郡山市と企画コラボした「桜マップ」で360度カメラを取り付けリモート撮影した様子です。360度見渡せるので、太陽の位置や被写体との構図を把握しながら指示できました。
直方市では、超広角レンズのスマートフォンを取り付けてリモート撮影しています。スマートフォンなので、直接ビデオチャットしながら指示ができて利便性がよいです。
福岡県の直方市では、自治体DX、地域DXの観点から都市部在住の専門スキルを持っている人材と地域企業とのマッチングなどを推進しています。今回、写真や映像撮影などの撮影をリモートで行うことにチャレンジして観光振興などにつなげていきたいと考えて実証実験をおこなっています。
全国各地のクリエーターの方々と直方市がつながっていくことで地域情報の発信力の向上を狙っています。
山林に囲まれた「竜王峡キャンプ場」では、渓谷に流れる滝の様子などをリモート撮影しました。
市役所職員の方に撮影機材を持っていただき、遠方地から構図の指示(ISO感度の調整やシャッター)を行いシャッターを切っています。
撮った写真素材は下記のとおりです。
このようにプロの機材を使用し、適した設定値で撮影した写真は高品質です。リモート撮影は、プロの写真家が現地へ移動や滞在しなくとも、担当者が機材をもってネットに接続すれば、高品質の写真を手軽に撮影し納品できるのが魅力だと感じています。
ぱくたそでは今後も地域の魅力を最小限のリソースで伝えていけるよう続けていきます。改めて、直方市役所の皆さまご協力ありがとうございました。
※ 直方市の企画コラボで配布している写真素材のすべてがリモート撮影で撮られたものではありません。