2023年の年間でアクセス数・ダウンロード数が多かった人気の写真素材をまとめまし...
ぱくたそ所属のフォトグラファーが集って、フリー素材の撮影を楽しむ「ぱくたそ写真部」。今回は、モデルの「茜さや」さんと、東京都内から日帰りで訪れる千葉の観光スポットを巡ってきました。
これまで数々の観光地を「ロケログ」で紹介してきましたが、今回は「茜さやと日帰りポートレートロケ[東京ー千葉]」でお伝えした撮影の裏側、ロケ地選びの経緯などを含めた舞台裏について、お届けします。
このプロジェクトは、そもそもモデルの茜さやさんが地元、広島県福山市の魅力を伝える「勝手に福山観光大使」としての活動に触発され、ぱくたそも一緒にその魅力を伝るお手伝いが出来ないかという流れから、ぱくたそ内での「部活動」のような取り組みで、観光地やロケーションを自主的に紹介していきたいと発足しました。
今回の撮影メンバーは、運営の「すしぱく」、「Yuu」、「g.O.R.i」、フォトグラファーの「ヘルツ」といった、これまで様々な自治体や行政とのコラボレーションを経験した一同を集合させて構成しています。
撮影メンバーとは個々の交流はあるものの、顔合わせは初めてといった状況もあり、どのように撮影を行い交流するべきか、チームとしての共通理念とその趣旨がとても重要になります。また、チームで進めるプロジェクトを立ち上げる際には、そのプロジェクトの理念や目的を各メンバーがしっかりと認識して取り組むことが不可欠です。
理念を共有せずに進めても、目的が定まっていなければ、そのプロジェクトは意味を成しません。数々のプロジェクトを手掛け、全国各地でポートレート撮影の実績をお持ちのヘルツさんに、当プロジェクトの理念や目的、そしてプランの叩き台を考えていただきました。
ヘルツさんより提示された当プロジェクトの共通理念は以下のとおりです。
各々が当事者意識を持ち、その責任のもとで行動し、それに基づいて楽しさを伝えることの重要性を明確にすることが、このロケーション企画の一つの要件です。企画側が意識をもって活動することは確かですが、参加者も同じ意識を持って取り組むとは限りません。したがって、この概念をしっかりと文章で伝えることはとても有効です。
今回の企画は、福山撮影の本番前に、関東近郊で試験的かつ簡易的な活動をすることが目的となっておりました。そのため、この企画でチームが、ノウハウを蓄積し福山撮影に向けて課題を洗い出すことを目指していました。そういった背景から、福山撮影の縮小版かつメンバーお互いの交流、また各人の役割等の確認が出来つつ、予算や身体的に無理のない範囲での実施、と考えると「日帰りが最適である」と判断しました。
日帰り撮影の条件として、関東近郊から行くだけ行って帰れない、一泊しないと現実的に難しい、そういったロケーションは除きました。また観光地を含めて、合わせてアクティビティ等も楽しめるロケーションを前提として、原則的に車でアクセスが可能な候補地を絞り込みました。
候補地は「観た人が気軽に行ける」という前提で以下条件を基に検討しました。
※ 車移動は、レンタカーを前提としました。。撮影メンバーが全部で5名であることから、当初、2台の車を手配する予定でしたが、メンバーが分かれることによる移動中のコミュニケーションの制約を考慮し、大型車を1台借りることにしました。
撮影メンバーが集合しやすい関東圏内の都道府県範囲で検討しました
※ 山梨県は見どころの時期が読めないため外しました。
検討候補地は全部で6箇所ありましたが、メンバーで相談した結果、その中から撮影時期や企画内容に合う最終候補地は、神奈川県の横須賀~三崎港ルートと千葉県の沖ノ島ルートとまで絞り込みました。
車で移動しながらの撮影というより、京急線に乗って旅を楽しむルート。京急電鉄が提供している「みさきまぐろきっぷ」を活用することで、三浦半島をまるごと楽しむことができます。このチケットは、観光PRとしても魅力的で、「食」というわかりやすさがポイントです。さらに、観音崎灯台周辺や、大型の軍艦を背にするシーン、ハイカラな横須賀の町並みを散策する場面も捉えることができます。
ただし、今回のプロジェクトは主にポートレート撮影が中心として企画されたものです。旅行を楽しむといったテーマだけであれば充実したロケになるものの、ポートレートと組み合わせた場合、撮影シーン決めや構図に難儀する懸念がありました。
池袋から海ほたる経由で千葉県の南房総を目指すルート。南房総は美しい海水浴場が点在し、海に関する観光スポットが充実しています。波打ち際でのシーンはもちろんのこと、全国的にも珍しい木製の桟橋がある原岡海岸では、風景と一体となるようなフォトジェニックな撮影ができます。また、海水浴場の砂浜では夜22時まで手持ち花火が許可されてます。
ただし、このルートは横須賀ルートに比べて移動距離が長く、特に休日などは渋滞に巻き込まれる可能性がありました。また、朝一で集合しなければならないという課題もあり、スムーズな移動とスケジュールを慎重に練る必要がありました。
ふたつの候補地を比較して議論した結果、最終的に海岸沿いが多く、夏に向けたフリー素材を撮影でき、ポートレートを中心に据えたわかりやすい観光地が多く、更には福山撮影に向けて応用が効きそうであるという事で「千葉県の沖ノ島ルート」が採用されました。
主な撮影場所が確定したので、次は具体的な一日のスケジュールや必要なもの(撮影に使う小道具はもちろん、移動に必要な物の候補)を決めていきます。
一日の撮影スケジュールは以下の様に検討しました。これらは、福島県浜通りと企画した「ただいま ふくしま」で、8市町村を3日で撮影した際に同行した経験をもとに、Yuuさんに作成していただきました。
走行距離は往復で110km。撮影は一般の方が参考になるよう休日を想定しました。
今回の撮影の様子は、集合地点から最終地点の沖ノ島、更に観光地の混雑具合、撮影に至るポイントまで、記録ムービーとしてYouTubeにアップしています。ぜひご覧ください。
勝手に観光地を紹介する自主企画を実施してみた結果としては、自由にプランを作れるというメリットがある一方、今までのように自治体の協力があるわけではないので、観光地を決める段階から、多くのインプットが必要になるといった負担や、各人の経験をもとにしたアテンドしか出来ず、スケジューリングの調整やロケーションの現状を正確に把握しきれないというデメリットがある事がわかりました。
とはいえ、目的の一つである、円滑な交流、楽しんで撮影すること、企画通りの撮影で目的の成果物が撮れたことは大きな評価ポイントだと感じています。
また改善点としては、フォトグラファーが多数参加したため、役割の明確化改善点としては、フォトグラファーが多数参加したため、役割の明確化を更に明確にする必要があったと感じます。具体的には、風景、動画(Vlog)、ポートレートなど具体的に決めておくべきでした。合わせて、スケジュール設定を心がけるべきだったとも感じています。(休憩する時間がほぼなかった)
以上が、東京-千葉間の日帰りポートレート撮影の裏側の裏側となります。観光地を巡りながら撮影する楽しさはポートレート撮影の中でも格別です。是非皆様参考にしていただき聖地巡礼をお楽しみください。
「茜さやと日帰りポートレートロケ[東京ー千葉]」の企画ページでは、撮影したフリー素材を掲載しています。